法人向けサービス 実績
経営計画・経営支援「社長の成績表」
「なぜ、人が辞めてしまうのか」数字が出した答えとは?
LTR担当士業 | 税理士(宮本 泰三) |
業種 | 飲食業 |
エリア | 関東エリア |
従業者規模 | 50〜100人 |
依頼内容
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改善内容
対応
「飲食店で従業員がすぐ辞める」は、仕方がないことなのか?
税務関連の顧客であるAさんより、「相談にのってもらいたいことがある」と連絡があったのは、3年前のことでした。Aさんは、都内で飲食店4店舗を経営しています。業績は決して悪くなく、次年度から新店舗をオープンさせる計画もありました。さっそくAさんに話を聞いてみると、「この数ヶ月、従業員の入れ替わりが特に多いんです。正直なところ、“飲食店だから、ある程度は仕方がない”と割り切っていたのですが、現場の店長からも相談を受けていて、そろそろ手を打たなければと・・・」とのこと。そこで、私がおこなっている経営計画コンサルタントの業務<経営計画・経営支援(社長の成績表)>について話しをすると、「すぐにでもお願いしたい」と依頼があり、翌週には2期分の決算書が届きました。
私が最初に取り組むのは、<現状の財務分析>です。決算書は、成果が数値化されているものですが、「その数値をどう読み、どのように解釈して経営に活かすか」は、第三者の眼を入れることで明確になっていきます。本サービス『社長の成績表』は、決算書を客観的に分析して評価し、成績表のように見られる形です。Aさんの会社は、どんな分析結果となったのでしょうか?
数字によって見えたもの
数字から、いくつかのことが見えてきましたが、最も大きかったのは「従業員に対する給与の支払いが、会社全体の利益に対して少ない」という点でした。労働に対しての対価が少ないことで、モチベ―ションが下がり結果として退職をする人が増えた、といえるかもしれません。「これだけの利益があれば、従業員への給与は◎%ほどだけ増やせるんですよ」と伝えると、Aさんは驚いた様子。自社の数字的な把握はしていたものの、「給与を増やすことができる」という認識は、まったく無かったようでした。もちろん、給与面をクリアにしただけでは、真の問題解決にはなりません。そこで、次のステップとしておこなうのが『経営計画書』の作成です。
これは、会社が継続的に利益を生み、成長するために必要な施策を経営計画としてまとめたもの。さらに、会社の代表として考える経営ビジョンや、将来的な展望を実行させるための計画も盛り込みます。経営計画書を作るためには、Aさん自身の想いを徹底的にヒアリングすることが不可欠です。そのために、Aさんには丸1日ほど時間を確保してもらい、計画書の作成を進めていきました。
会社の未来像を描き、オープンにする重要性
「◎年後には、こんな会社の未来が待っています」と具体的に提示するということは、ある意味、とても勇気のいることです。文字にすれば、実行しなければならない。そこには、会社のトップとしての覚悟も必要です。Aさんも「ここまで細かく書くんですね」と、最初は、少し戸惑っているようでした。実は私も十数年前、まさにAさんと同じような状況にありました。会社の代表という立場になったものの、一番大事な「人材」について悩みが尽きない日々。そんなある日、決算書の数字を眺めていると、私はふとあることに気が付きます。
それは、「社員に会社の将来像を伝えていない」ということでした。私は、経営者として数字的な分析はしていたものの、会社の将来的な目標や、チームとして目指す方向性、キャリアを積んだ先のステージなどを、社員に伝えていませんでした。これでは、日々の多忙な業務をこなしながら、次第にモチベーションが下がっていくのも当然です。
そんな話をAさんに伝えると、「分かりました。やってみます」という答えが! 数時間後には、Aさんの思い描く会社の未来像が、多くの言葉となって記されていました。
対応後の変化
「ここでずっと働きたい」多くの社員がそう思うえる環境に!
その後、「従業員が辞めてしまう。という流れが止まりました」とAさんからうれしい報告がありました。さらに人材を採用する際、「長期的に働いてキャリアを積める環境」を提示したことで、大きな変化が! 入社時から働く人のモチベーションが高く、仕事の成長が早いというのです。そのことで、ベテランスタッフにかかる負荷も減り、結果として、離職率が大幅に軽減されたようでした。また、今回のコロナ禍においても退職者はゼロという素晴らしい報告もありました。飲食店が厳しい状況下にある中で、社員が協力し合いながら頑張っているという話を聞き、私がAさんから大きなパワーをいただいたように感じています。
担当士業のコメント
「会社の未来像」を描く大切さ
オシャレな会社のパンフレットやホームページを作っても、そこに人が共感するのは最初だけ。大事なのは、会社の“土台”をしっかりと作ることなのです。そのためには、「会社の未来像」を描くことが大切です。たとえば、「この会社で頑張っていれば、こんな未来が待っている」が、明確に見えること。それこそが、働く人にとっての大きな原動力となり、日々のやる気を向上させます。これからも自社の問題点の洗い出しから、長期ビジョンの作成まで、皆さんのお力になれたら大変うれしく思います。【担当者】税理士/宮本 泰三
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