2020年12月25日
中小企業の経営計画の実態
いよいよ今年も師走となりました。振り返ると今年一年は、“じっと我慢の年”だったかもしれません。そのような中、この年末年始にかけて来年の経営計画を考える経営者の方も多いと思います。良くも悪くも「この先どうするべきか?」を数値に置き換え、考えることはとても大切です。
そこで今回は、経済産業省から発表されている「経営計画」の実態を見ていきましょう。令和2年10月に発表された「令和元年度中小企業支援機関の在り方に関する調査に係る委託事業報告書」より、抜粋してお知らせします。
「経営計画」を策定している会社の割合は?
報告書によると、経営計画または事業計画を策定していると回答した中小企業の割合は57%で、回答企業の半数以上が計画を策定しています。また、計画を策定していない43%の中小企業に、その理由を聞いた結果をまとめると次の通りです。
@ 策定する必要性を感じていないから・・・34%
A 策定する人員やノウハウがないから・・・32%
B 策定する時間がないから・・・14%
C 適切な社外の相談相手がいないから・・・8%
D その他・・・12%
経営計画を策定する必要性を感じていない割合が、34%で最も高くなりました。
経営計画の運用状況は?
次に、経営計画を策定している中小企業における計画の運用状況をみてみます。
@ 策定した計画の達成に向けた行動・・・47%の会社が十分行っている
A 策定した計画の進捗管理・・・46%の会社が十分行っている
B 策定した計画の評価、見直し・・・41%の会社が十分行っている
以上のように、経営計画の運用状況はいずれも50%に届かず低い状況です。策定した計画の実行やその管理など、いわゆるPDCAサイクルを回していくことの難しさが、結果に表れているようです。
企業の成長には「経営計画」の「策定」、「実行」が欠かせません。計画を確実に実行し管理できる仕組みを作ることが重要です。
最後に、この報告書中にあった「日常的な経営に関する相談相手は誰ですか?」の問いに対して一番多かったのが「税理士・公認会計士」の62%です。
経営計画を実行したい方は、ぜひ身近にいる税理士、公認会計士に相談してみて下さい。
(税理士 宮本 泰三)