2019年10月08日
【経営者の皆さま向けお役立ち情報】 事例紹介:長男だからこそ、社長に抜擢
LTRでは、本ブログを通して経営者の皆さまのお役に立てる情報を定期的に発信していきます。
今回は 事例「長男だからこそ、社長に抜擢」を紹介します。
◆A社の状況
A社は創業80年を超え、現在の社長は4代目。その4代目が後継者として決められたのは、先代で父親の会長の独断によるものでした。会長には4人の子ども(男3人、女1人)がおり、長男が現社長。後継者に長男を指名した理由は「長男だから」そうです。
◆ポイント
会長によると、4人の子どものなかでもっとも経営センスがあるのは三男で、本人も少しは承継に色気があったとか。また、この長男に決めたとき、妻には意見を聞かず、独断で決めたとのことでした。それは、「意見を聞けば母親の情が入りすぎるから」ためで、「親族はできるだけ関わらせないようにしている」という会長の経営に関するポリシーに則った決断だったようです。
こうした先代の信念も引き継いだ現社長の長男は老舗といえる家業を見事に引き継ぐとともに新しいことにもどんどん挑戦し、社員から絶大なる信頼を受けています。
では、長女と次男、三男は、どうなさったのでしょう? 三人ともA社で働いていませんし、非常勤の役員ですらありません。全く縁のないところで活躍しているそうです。
このケースのポイントは、「誰もが納得できる選択をすること」「親の情を捨てて決断する」「兄弟姉妹を安易に社内に入れないことで、将来の災いを予防する」ことでしょう。同じような資質をもった候補者ならば、長男であるということはみんなが納得できる理由となり得ます(日本文化の特有さもありますが)。もちろん、本人に「事業を継ぐ」という気構えがあることが前提になります。
相続と経営承継はまったく別物です。このケースでも株式は長男である社長に集中させ、長女、次男、三男にはその他の財産で報いるよう配慮されていることはもちろんのことです。