2019年06月25日
【経営者の皆さま向けお役立ち情報】事業承継の効果的な資金繰り対策
LTRでは、本ブログを通して経営者の皆さまのお役に立てる情報を定期的に発信していきます。
今回は「事業承継の効果的な資金繰り対策」をテーマにした事例の紹介をします。
事業承継を遂行する際は、資金繰りも重要な対策になります。代償分割(遺産に自社株や不動産が多く、分割できない分を現金で渡すもの)するケースもありますから、見逃せないポイントです。
◆退職金の活用
法人から退職金を支給し、納税資金を確保する方法です。ただし、退職金は「実際に退職」していないと税務上損金になりませんので、ご注意ください。
◆生命保険の活用
@「生命保険 相続税」の非課税枠を活用
相続人一人あたり500万円の非課税枠が設けられています。たとえば、相続人が二人の場合は、1,000万円までは相続税がかかりません。
A契約者・受取人を子ども、被保険者を被相続人にする保険
この場合、保険受取時は相続税ではなく「所得税」が発生することになります。しかし、「一時所得」となるため税額が非常に安くなります。また、子どもが保険料を納めるための「資金」を準備する必要が生じますが、親から子どもに資金を贈与することで生命保険の支払資金を確保することができます。そうすると、実は贈与税の非課税枠(110万円)の恩典と、一時所得としての恩典のダブルの節税が可能となります。
◆自社株の譲渡
@換金性のない自社株を譲渡する方法
生前に対策が可能で、しかも税率を安く抑えようと思うと、「別会社を設立して自社株を売却」になると思います。しかし、設立間もない会社はお金が不足しているでしょうし、たとえ借入れが可能だったとしても返済原資が確保できません。ここで、株式交換を活用します。資金化したい株式だけを新会社に売却し、残りの株式を株式交換します。
A株式交換
新会社は設立当初はお金が不足しているため金融機関から株式買取資金を借入れしますが、株式交換により従来の会社が100%子会社となりますので、子会社からの配当を原資に借入れの返済が可能になります。