2019年06月18日
【経営者の皆さま向けお役立ち情報】事業承継に要する時間
LTRでは、本ブログを通して経営者の皆さまのお役に立てる情報を定期的に発信していきます。
今回は「事業承継に要する時間」を紹介します。
◆事業承継には5〜10年かかる?
事業承継では、さまざまなものを引き継がなければなりません。場合によっては、後継者を育てるところからスタートしなくてはならないケースもあるでしょう。さらには、事前の準備量によっても大きく変わってくるため、一概に「○年程度だ」と言い切ることはできません。長く時間をかけるケースでは、事業承継が終わるまで10年以上かかることもあります。
その一方で、すでに後継者が育っていて、かつ適切な人や機関に助力を依頼することで、半年で終わらせることができてしまったケースもあります。
このようなことを考えれば、「事前の準備や、事業承継を見据えた後継者育成がいかに大切か」ということが分かりますね。
◆事業承継のタイミング
「事業承継」というと、どうしても「世代交代」を意識することになります。このため、心情的な抵抗感からか「ギリギリまで着手しない」というケースも少なくありません。
また、病気や過労、あるいは年齢を重ねてから事業承継を行うことになると、大きなリスクを負うことにつながります。本人の判断能力が低下している場合もあれば、状態を確認しようにも病床にいるかもしれません。
経営や資産を後継者に引き継ぐにはある程度時間を要するため、経営者が早期に準備の必要性を認識して計画に着手し、早い段階で後継者に事業承継をすることが肝心です。全国的に経営者が高齢化している現在の状況下で、この流れを活性化するには国や自治体、支援機関がおおむね60歳を迎えた経営者に対して、承継準備に取り組むきっかけを提供していくことが重要だと言えるでしょう。
◆事業承継を効率化するために
●経営状況・経営課題などの見える化
経営状況の把握と、事業承継の課題把握に分けられます。会社の経営状況の見える化に資する取り組みとして、資産面での会社と個人の関係の明確化、適正な決算処理、在庫管理や部門別損益などの経営管理、経営者と金融機関・支援機関の双方が同じ目線で対話して自社の強みを把握する「ローカルベンチマーク」の活用などが重要です。また、事業承継の課題としては、後継者候補の有無の確認、親族内株主や取引先と後継者候補との関係、相続財産の特定や税額の試算などが挙げられます。
●事業承継に向けた経営改善
現経営者が後継者により良い状態で事業を引き継ぐために経営改善に努めることも大きなポイントです。たとえば、本業の競争力強化、社内の組織の整備、不要な資産・滞留在庫の処分、財務状況の把握や外部への開示などの取り組み、業績が悪化した企業の事業再生などが挙げられている。