2019年05月23日
【経営者の皆さま向けお役立ち情報】会社の跡継ぎのための養子縁組について
LTRでは、本ブログを通して経営者の皆さまのお役に立てる情報を定期的に発信していきます。
今回は「会社の跡継ぎのための養子縁組について」をテーマにした事例の紹介をします。
<D社の概要>
経営者:元気そのもの
相続人:長女と次女(自身の配偶者)
状況:長女・次女いずれも嫁いでいるが、経営者である父親は跡継ぎとして次女の夫A(35歳)に白羽の矢をたてる。父親としては、「Aが養子となり継いでくれるのであれば、全財産をAに相続させる遺言を作成する」と言っている。しかし、生前というのに長女は、「父親が死亡したら、不動産などもすべて売却して二等分してもらいたい」などと言ってくるような人物。このような状況で養子縁組を結ぶと、後々、問題となるか?(Aは養子になることを承諾している)
<解決のポイント>
Aが養子になると子どもが3名となるため、長女の法定相続や遺留分の割合が減ることになります。数字の側面でみると有利ともとれますが、揉める原因になる可能性は低いとは言えないでしょう。ただ、いずれにしてもAも成人しているため、当事者である父親とAが決めたことであれば、その他の者が口出す権利はありません。
上記のような性格の長女であれば、相続のときは揉める可能性が高いと言えます。ですから、父親は遺言を公正証書として作成し、「なぜAにすべてを相続させたのか、相続時には揉めてほしくない」などのことを明確に書いた方がいいでしょう。
公証人は、被相続人が話す内容を正確に公正証書遺言に起こすことが仕事です。細かな内容や、「こう書いた方がよい」などとアドバイスすることはありませんので、後になるべく揉めないような内容を決めることが肝心です。