2019年08月19日
【くらしに関する法律知識】二次相続:有効な7つの方法
LTRでは、本ブログを通して皆さまのお役に立てるくらしに関する法律知識・情報を定期的に発信していきます。
今回は「二次相続:有効な7つの方法」を紹介します。
◆二次相続の重要性
「二次相続」とは、両親が亡くなった時ときに受け取る相続のこと。たとえば、父が死亡した際に始まる通常の遺産相続(一次相続)を行った後に残された母も死亡したケースで、子どもだけで行われる母の相続が二次相続にあたります。残された子どもが本当の意味で遺産相続を完了させるには、この一次相続と二次相続の両方を経験しなくてはいけないことになります。
二次相続が一次相続よりも重要だと言われる理由は、以下が考えられます。
@配偶者の減税軽減が使えないこと
A小規模宅地の特例が適用できない
B相続人の一人が減ることで相続税が課税される
◆有効な7つの方法
@生前贈与
一次相続の段階から、少しずつ配偶者や子へ贈与を行うといったことも効果的な二次相続対策です。毎年110万円までなら贈与税もかからない基礎控除、また夫婦間でも家や土地の贈与の際に2,000万円までの非課税枠などがありますので、活用しない手はないでしょう。
A一次相続による財産の取得金額を調整
まずは、一次相続の際に配偶者への相続財産を減らしておくという方法があります。配偶者への分配を少し減らして子どもに多めの相続分を確保しておくことで、トータルでの税額を減らすことにつながります。
B一次相続で住宅を子どもに相続
もし同居している子どもがいるとしたら、配偶者ではなく子どもに実家を相続させます。そうすれば小規模宅地などの特例が使えますので、大きな節税につながります。
C相続する財産を現金化
一次相続で、配偶者が取得した財産で預金化できるものはすべて現金化しておきます。このことで、二次相続による多額の納税資金に困らないようにすることが可能になります。
D相続する財産の種類を考える
不動産などで家賃収入を得ている場合、最初の相続で配偶者が取得すると配偶者の財産が増加し、二次相続で相続税を増やす結果になります。そのため、最初に子どもに移転しておけば、二次相続の税額を減らすことにつながります。
E母(父)が生命保険に加入
配偶者に多額の現金が入った場合、生命保険に加入することで二次相続の際に保険金が支払われる納税資金となります。また、生命保険金は取得者には「500万円×法定相続人」の非課税枠がありますので、納税資金の確保と相続財産を減らす効果が期待できます。
F相次相続控除による優待規定を利用
一次相続と二次相続との間が10年以内の場合で、二次相続で亡くなった人が一次相続で納めた税金のうち、一部を二次相続の相続人の相続税額から控除するという制度です。
●相次相続控除が受けられる人
・被相続人の相続人であること
・相続の開始前10年以内に開始した相続によって被相続人が財産を取得していること
・その相続の開始前10年以内に開始した相続によって取得した財産について、被相続人に対して相続税が課税されたこと