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2021年03月12日
お茶をビジネスに取り入れる!?〜茶道のススメ〜
LTRでは、本ブログを通して経営者の皆さまのお役に立てる情報を定期的に発信していきます。
今回は「お茶をビジネスに取り入れる!?〜茶道のススメ〜」を紹介します。
※こちらの記事は「LTR通信2021冬号」に掲載中です。
カフェというと西洋のコーヒーを思い浮かべますが、ここでは日本のお茶に関するお話をしたいと思います。
現代の茶道は、女性のたしなみとして受け取られることが多いですが、日本における茶道は本来、男性のためのものでした。戦国時代、茶道は武士にとっていわゆる必須科目であり、力だけではなく知識や教養を習得するためにたしなんでいました。また、茶道の持っている「心身のリフレッシュ効果」や「集中力を高める効果」などを求め、茶道を必要としていたともいわれています。
茶道の所作は礼儀を重んじ、お湯を適度に沸かし、高価な道具を扱い、相手を気遣って、一碗のおいしいお茶を点(た)てます。観るだけではなく、説明を聞いて味わい、実際に身体を動かして体験することは、今ここで起こっていることだけに意識を向けるという「マインドフルネス効果」があるのではないかと思います(言葉の深〜い説明については、LTR通信8ページに掲載している“【連載】マインドフルネスのススメ”を参照ください)。
戦(いくさ)で殺伐とした心を平常に戻すためにも、茶道はなくてはならないものであったのかもしれません。
現代のビジネスの世界は、武士にとっての戦にたとえることができると思います。普段はさまざまな交渉や取引があり、締め切りに追われ、すさんだ心の状態でも、茶道を通じたひとときの心の安らぎは、現代社会においても必要なのではないでしょうか。普段の生活に取り入れることによって、また違った景色が見えてくるかもしれません。
そしてこのように、もともと男性のものとされていた茶道の世界は、時代の流れとともに女性が中心となっていきます。茶道界では、顧客を今までの男性から女性に大きく方向転換して市場を拡大しています。これまで当たり前だった常識を打ち破り、ターゲットを女性にすることで、時代の流れや変化に対応してきたのも茶道です。古くから脈々と受け継がれてきたこのような文化も、変化を遂げながら現代に至っています。
コロナ禍で一気に様変わりしてしまった現代社会においても、臨機応変に対応していくことの重要性や価値観を柔軟に変える必要性について、この茶道から学ぶことができるかもしれませんね。(不動産鑑定士・一級建築士 鈴木 泰三)