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2021年01月29日

マインドフルネスのススメ(連載第2回)

LTRでは、本ブログを通して経営者の皆さまのお役に立てる情報を定期的に発信していきます。
今回は「マインドフルネスのススメ」を紹介します。
※こちらの記事は「LTR通信2021冬号」に掲載中です。

前回、マインドフルネスの定義を紹介いたしました。皆さま、覚えていらっしゃいますか?
えっ、覚えていない? 大丈夫、人間は忘れる動物。かくいう私もよく忘れます。
では、おさらいしておきましょう。

「日本マインドフルネス学会」は、マインドフルネスを「今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ観ること」と定義します。『観る』とは、『見る、聞く、嗅ぐ、味わう、触れる、さらにそれらによって生じる心の働きをも観る』という意味です。ここでポイントになるのは「評価をせずに、とらわれのない状態で」ということです。

人は物事を体験したとき、好き・嫌い、良い・悪いなどを絶えず頭の中で評価します。あなたが街を歩いたとき風が吹いたとします。夏の日中なら、その風が心地良く感じられるでしょう。冬の夜なら、「ああ寒い、心も寒い、おまけに財布も寒い」などと思うかもしれません。あるがままの体験は、身体の周囲にある気体が移動して、身体に当たっただけ。それを感情や別の思考と紐づけ勝手に解釈し、時に喜んだり悲しんだりします。それが私たち凡人の精神活動です。

私たちの業界でいうと……。闇金業者と交渉の際「もうこれ以上お支払いをすることはできません」と伝えただけで、「お前、どこの何様だ?」と怒鳴られることがあります。しかし、その罵詈雑言を真に受けて反論するのは時間が無駄な上、こちらの身が持ちません。そこで、犬がキャンキャン吠えているくらいの感覚で、大した意味を持たない「音」に過ぎないと捉えて、淡々と対処します。

または、決して某センセイの体験談ではありませんが、尊大かつ傲岸不遜な配偶者とケンカして理不尽極まりないことを言われても、それを単なる「音」と観ることができれば、冷静に対処することができるでしょう。

評価をすることに意味を持たせず、ありのままに観るというのがマインドフルネスの要諦です。悩んでいることや苦しんでいることが、あなたが勝手に作り出した評価に基づく個人的な見解に過ぎないのではないかと気付くことができたら、それだけで勝手に背負った肩の荷が下りて、人生に少し余裕が生まれるのではないでしょうか。

マインドフルネスを始めるにあたって、何もあなたの会社をグーグル社並みに成長させようなどという大それた目標はいりません。入門編としては、ちょっと人生が豊かになるかもしれない、その程度で良いのだと思います。次回は、いよいよマインドフルネスの方法についてご紹介します。乞うご期待!(弁護士 竹中 一真)


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