お役立ち情報
2022年08月22日 [お役立ち情報]
中小企業の強み「現場改善で組織に大きな変化が!」(パート3/最終回)
こんにちは。中小企業診断士の西端です。私は、毎日さまざまな業種の企業を訪問しています。その多くは、従業員が100名以内の中小企業です。大手企業と比較すると、経営資源や事業規模などあらゆる違いがありますが、もちろん中小企業にも多くの強みがあります。
前回のパート2では、現場改善に挑むB社(北関東エリア)の事例<B社の現場で見たことや感じたこと、変化>などをお伝えしました。今回のパート3/最終回では、さらに新たなチャレンジに挑むメンバーの姿や、社内の様子などについてお話しします。
※秘密保持の関係上、地域や業種などお客様情報の一部を変更させて頂いております。
▶前回の記事(パート1)(パート2)もあわせてご覧ください。
中小企業の強み「現場改善で組織に大きな変化が!」(パート1)
中小企業の強み「現場改善で組織に大きな変化が!」(パート2)
現場改善プロジェクトがスタートして1ヶ月。整理整頓の段取り、新しい棚の購入、収納にしている物のデータ管理など、順調に進んでいきました。そして翌週、A課長とB課長と私(中小企業診断士・西端)で、ここ1ヶ月の振り返りを兼ねたミーティングをおこないました。すると、A課長からこんな発言が!
「現場改善プロジェクトで、もう一つチャレンジしたいことがあるんです。これまでの整理整頓と比べると少しハードルが高いんですが、私は今なら実現できると考えています」。
それは、「現在、工場内で請け負っている全ての業務の工程表を、分かりやすく『見える化』する」というものでした。
・簡単な管理表は存在しているが、チーム単位でフォーマットがバラバラで分かりづらい
・他チームの進捗について、共有されていない(見たい場合、その都度リーダーに確認するような状況)
などの問題点もあり、改善したいという提案です。
そんなAさんに対して、B課長は少し不安な表情でこう言いました。「これ以上、何か新しいことを始めると『忙しいのに仕事が増える』など、不満の声が出ませんかねぇ……」。
確かに、慎重に物事を進めたいB課長の意見にも納得できる部分がありました。しかし、A課長の想いは変わりません。『整理整頓』を行ったことで業務の効率がアップし、メンバーたちがスムーズに作業を行う姿を見て、『いい流れが出来ている今のタイミングでやりたい!』と思ったようなのです。
その後も話し合いは平行線上をたどっていたため、私はこのような提案をしました。
・今回のプロジェクトは、A課長がリーダーを務める
・まずはA課長の管理している部署・チームでプロジェクトを実践し、モデルケースを作る
この提案でB課長も納得し、さっそく翌週からスタートすることになりました。
私がこのような方向で進めたのは、A課長が感じたように、やはり『タイミングが大事』だと思ったからです。整理整頓を行ったことで多くのメンバーは、以前よりも『仕事がやりやすい状況』だと感じているようです。それを強く実感している時であれば、新たなことを受け入れることができると思ったのです。ちょっと大袈裟かもしれませんが、私は今こそ、B社は “新たなチャレンジに挑める“ と実感しました。
現場改善プロジェクトは、いよいよ次のステップへ。A課長がリーダーとなり、工程表のフォーマット案がいくつか作成されていきます。実は前回のミーティング後、私はB課長からある相談をされました。
「整理整頓のリスト作成を担当したCさんはウチの課のメンバーですが、あれから変化を感じるんです。業務にも積極性が出てくるようになって。もともと、データ作成などが得意だったようなので、今回A課長のサブに付いてもらったらどうでしょうか? 課やチームを越えて、いい形で協力する体制も必要かと」。
このB課長からの相談・提案に対して、私はもちろん賛同しました。Cさんの変化について、私も気づいていたからです。そして同時に、このような相談をしてくれたB課長の変化も感じ、とてもうれしくなりました。
1ヶ月後、数回のアップデートを重ねて工程表が完成! すでに使用したメンバーからは、大きな反響があるようです。
このように情報の“見える化”をしたことで、現状が把握できる ⇒各々が自分の業務の中で、スピードを意識するようになる
⇒必要に応じて、遅れているところのサポートや、的確な人員配置ができるようになる
など、工程表はプラスの要素をもたらしているようでした。
私は、B社がこれからも着実に変化し、大きく成長していくことを感じています。そして、B社が目指す『自立的組織』に一歩ずつ近づいていくよう、これからもサポートしてゆきたいと思っています。
前回のパート2では、現場改善に挑むB社(北関東エリア)の事例<B社の現場で見たことや感じたこと、変化>などをお伝えしました。今回のパート3/最終回では、さらに新たなチャレンジに挑むメンバーの姿や、社内の様子などについてお話しします。
※秘密保持の関係上、地域や業種などお客様情報の一部を変更させて頂いております。
▶前回の記事(パート1)(パート2)もあわせてご覧ください。
中小企業の強み「現場改善で組織に大きな変化が!」(パート1)
中小企業の強み「現場改善で組織に大きな変化が!」(パート2)
現場改善の新たな提案とは?
現場改善プロジェクトがスタートして1ヶ月。整理整頓の段取り、新しい棚の購入、収納にしている物のデータ管理など、順調に進んでいきました。そして翌週、A課長とB課長と私(中小企業診断士・西端)で、ここ1ヶ月の振り返りを兼ねたミーティングをおこないました。すると、A課長からこんな発言が!
「現場改善プロジェクトで、もう一つチャレンジしたいことがあるんです。これまでの整理整頓と比べると少しハードルが高いんですが、私は今なら実現できると考えています」。
それは、「現在、工場内で請け負っている全ての業務の工程表を、分かりやすく『見える化』する」というものでした。
・簡単な管理表は存在しているが、チーム単位でフォーマットがバラバラで分かりづらい
・他チームの進捗について、共有されていない(見たい場合、その都度リーダーに確認するような状況)
などの問題点もあり、改善したいという提案です。
そんなAさんに対して、B課長は少し不安な表情でこう言いました。「これ以上、何か新しいことを始めると『忙しいのに仕事が増える』など、不満の声が出ませんかねぇ……」。
新たなことを始めるには、タイミングが大事?
確かに、慎重に物事を進めたいB課長の意見にも納得できる部分がありました。しかし、A課長の想いは変わりません。『整理整頓』を行ったことで業務の効率がアップし、メンバーたちがスムーズに作業を行う姿を見て、『いい流れが出来ている今のタイミングでやりたい!』と思ったようなのです。
その後も話し合いは平行線上をたどっていたため、私はこのような提案をしました。
・今回のプロジェクトは、A課長がリーダーを務める
・まずはA課長の管理している部署・チームでプロジェクトを実践し、モデルケースを作る
この提案でB課長も納得し、さっそく翌週からスタートすることになりました。
私がこのような方向で進めたのは、A課長が感じたように、やはり『タイミングが大事』だと思ったからです。整理整頓を行ったことで多くのメンバーは、以前よりも『仕事がやりやすい状況』だと感じているようです。それを強く実感している時であれば、新たなことを受け入れることができると思ったのです。ちょっと大袈裟かもしれませんが、私は今こそ、B社は “新たなチャレンジに挑める“ と実感しました。
情報の”見える化”で起きた変化!
現場改善プロジェクトは、いよいよ次のステップへ。A課長がリーダーとなり、工程表のフォーマット案がいくつか作成されていきます。実は前回のミーティング後、私はB課長からある相談をされました。
「整理整頓のリスト作成を担当したCさんはウチの課のメンバーですが、あれから変化を感じるんです。業務にも積極性が出てくるようになって。もともと、データ作成などが得意だったようなので、今回A課長のサブに付いてもらったらどうでしょうか? 課やチームを越えて、いい形で協力する体制も必要かと」。
このB課長からの相談・提案に対して、私はもちろん賛同しました。Cさんの変化について、私も気づいていたからです。そして同時に、このような相談をしてくれたB課長の変化も感じ、とてもうれしくなりました。
1ヶ月後、数回のアップデートを重ねて工程表が完成! すでに使用したメンバーからは、大きな反響があるようです。
このように情報の“見える化”をしたことで、現状が把握できる ⇒各々が自分の業務の中で、スピードを意識するようになる
⇒必要に応じて、遅れているところのサポートや、的確な人員配置ができるようになる
など、工程表はプラスの要素をもたらしているようでした。
私は、B社がこれからも着実に変化し、大きく成長していくことを感じています。そして、B社が目指す『自立的組織』に一歩ずつ近づいていくよう、これからもサポートしてゆきたいと思っています。