サービス実績
2021年12月10日 [サービス実績]
会社の未来を託せる人への事業承継
LTRでは、日々多くのお客さまからのご相談をお受けしていますが、「メンバー間の連携を活かしたサービスの提供」を大きな強みとしています。弁護士×税理士×行政書士、中小企業診断士×社労士、不動産鑑定士×弁護士など、さまざまな形でタックを組み、スピード感のある対応や問題の早期解決、新たな提案などをおこなっています。
そこで、このような日々の活動をまとめたページ、実績ページを設けました。掲載内容は、「お客様からどんな依頼があったのか?」にはじまり、対応した内容・対応後の変化・担当士業のコメントなど。同時に、こちらの<教えてLTR>(コラム)でも、本記事を紹介しています。4回目は、事業承継に関する実績です。ぜひご一読ください。
基本情報
【LTR担当士業】弁護士(鈴木 洋平)、税理士(赤崎 章吉)、社労士(阿部 毅)
【業種】製造業
【エリア】関東エリア
【従業者規模】100〜150人
【依頼内容】
・社内で発覚した問題(経費の私的流用の疑い)についての調査
・事業承継をスムーズに行いたい(現社長の解任、その後の引継ぎ)
「創業者でもある会社のトップが突然亡くなる」というケースは、決して稀ではありません。今回ご紹介するAさん(70%の株式を保有していた創業者のご長男)も、まさにその経験をされました。創業者が突然死した当時に創業者の株式を相続したAさんは入社1年目だったため、事業を良く知る共同役員のBさん(30%の株式を保有。入社20年目)が代表取締役社長となって会社の舵をとることになりました。
「社長(Bさん)が会社の経費を私的に流用しているかもしれない……」
弁護士である私がAさんに初めてお会いしたのは、それから5年後。この相談を受けたことがきっかけでした。事実確認を行うため、私は以下のような対策を検討し、実行しました。
・税理士の交代…本来なら、弁護士である私が調査を始めたいところです。しかし会社には社長に親しい顧問弁護士の存在やBさんに警戒されることも考え、まずは税理士(LTRメンバー)の変更を提案しました。
・税理士による調査…税理士の変更が認められたところで、情報収集を開始。今回の問題を見つけた経理担当役員のCさんが窓口となり、税理士と共に証拠となる材料を揃えていきました。
調査の結果、残念ながら経費の私的流用は事実だと判明します。そこで、一刻も早く「社長(Bさん)の解任」をしなければなりません。社長の解任は株主総会の決議により可能ですが、Bさん自身も株主の出席者のため、慎重に進める必要がありました。
最大のポイントは、今回の件が“不当な解任”と呼ばれないようAさんとCさんが株主総会の場ですべてを説明できること。そこで私は、株主総会のシナリオを作成することに決めました。社長の解任と交代がスムーズに行われるためのストーリー、言葉(セリフ)、資料を準備。リハーサルも実施し、万全な体制で臨みました。
株主総会は滞りなく進み、無事に社長の解任、次期社長の就任が決定しました。そこで最後に残された“重要なストーリー”は、私が会社の顧問弁護士になること。そのためには、代表取締役社長から委任を受ける必要がありました。そこで、Aさんの社長就任が決まったタイミングですぐに連絡をもらい、私は株主総会の場へ。委任を受けたことで会社の顧問弁護士となり、ようやく会社の立場に立って動くことが出来るようになりました。
Aさんが社長に就任したことで、会社は新たなスタートを切りましたが、他にもいくつかの問題が発覚します。その一つが、成果主義の賃金体系について。通常、歩合給にも残業代請求が付きますが、Bさんの独自の理論によってその支払いが行われていなかったのです。今回、税理士が多くの資料を集めていたこともあり、この点が早期に発見できたことは何よりでした。また、社内規定や就業規則にも見直しが必要だったため、社労士(LTRメンバー)も加わって改良を進めることに! 今回の件を踏まえ、問題社員への退職を命じる際に必要な「懲戒既定」の作成など、弁護士案件を越え、あらゆる対応に発展していきました。
先日「社長が交代してから会社が変わった。働きやすくなった」と、ある従業員の方の声を耳にしました。これまで社長に支払ってきた2000万円近い役員報酬や過大な接待交際費がなくなり、従業員にも残業代をしっかりだして還元し、問題社員にはお引き取り頂くなどして良好な職場環境になったからだと思っています。
【担当士業のコメント】
弁護士(鈴木 洋平)
今回のご相談は「社長を解任させる」という、ある意味“マイナス的”な内容でしたが、単にその問題解決だけでなく、会社の未来へつながる提案や対応が出来たことをうれしく感じています。また今回は事前の調査(経理上の問題を明確にする)が必要でしたが、LTRの強みである「士業の連携」を活かしたことで、事業承継をスピーディーに進めることが出来ました。今後もこの強みを活かしながら、お客様のさまざまなご相談に対応できる士業(スペシャリスト)でありたいと思っています。
※プライバシー保護の為、お客様情報の一部の表現を変更させて頂いております。
そこで、このような日々の活動をまとめたページ、実績ページを設けました。掲載内容は、「お客様からどんな依頼があったのか?」にはじまり、対応した内容・対応後の変化・担当士業のコメントなど。同時に、こちらの<教えてLTR>(コラム)でも、本記事を紹介しています。4回目は、事業承継に関する実績です。ぜひご一読ください。
基本情報
【LTR担当士業】弁護士(鈴木 洋平)、税理士(赤崎 章吉)、社労士(阿部 毅)
【業種】製造業
【エリア】関東エリア
【従業者規模】100〜150人
【依頼内容】
・社内で発覚した問題(経費の私的流用の疑い)についての調査
・事業承継をスムーズに行いたい(現社長の解任、その後の引継ぎ)
現状把握と対策の検討
「創業者でもある会社のトップが突然亡くなる」というケースは、決して稀ではありません。今回ご紹介するAさん(70%の株式を保有していた創業者のご長男)も、まさにその経験をされました。創業者が突然死した当時に創業者の株式を相続したAさんは入社1年目だったため、事業を良く知る共同役員のBさん(30%の株式を保有。入社20年目)が代表取締役社長となって会社の舵をとることになりました。
「社長(Bさん)が会社の経費を私的に流用しているかもしれない……」
弁護士である私がAさんに初めてお会いしたのは、それから5年後。この相談を受けたことがきっかけでした。事実確認を行うため、私は以下のような対策を検討し、実行しました。
・税理士の交代…本来なら、弁護士である私が調査を始めたいところです。しかし会社には社長に親しい顧問弁護士の存在やBさんに警戒されることも考え、まずは税理士(LTRメンバー)の変更を提案しました。
・税理士による調査…税理士の変更が認められたところで、情報収集を開始。今回の問題を見つけた経理担当役員のCさんが窓口となり、税理士と共に証拠となる材料を揃えていきました。
株主総会を機に新たなスタートへ
調査の結果、残念ながら経費の私的流用は事実だと判明します。そこで、一刻も早く「社長(Bさん)の解任」をしなければなりません。社長の解任は株主総会の決議により可能ですが、Bさん自身も株主の出席者のため、慎重に進める必要がありました。
最大のポイントは、今回の件が“不当な解任”と呼ばれないようAさんとCさんが株主総会の場ですべてを説明できること。そこで私は、株主総会のシナリオを作成することに決めました。社長の解任と交代がスムーズに行われるためのストーリー、言葉(セリフ)、資料を準備。リハーサルも実施し、万全な体制で臨みました。
株主総会は滞りなく進み、無事に社長の解任、次期社長の就任が決定しました。そこで最後に残された“重要なストーリー”は、私が会社の顧問弁護士になること。そのためには、代表取締役社長から委任を受ける必要がありました。そこで、Aさんの社長就任が決まったタイミングですぐに連絡をもらい、私は株主総会の場へ。委任を受けたことで会社の顧問弁護士となり、ようやく会社の立場に立って動くことが出来るようになりました。
良好な職場環境へ
Aさんが社長に就任したことで、会社は新たなスタートを切りましたが、他にもいくつかの問題が発覚します。その一つが、成果主義の賃金体系について。通常、歩合給にも残業代請求が付きますが、Bさんの独自の理論によってその支払いが行われていなかったのです。今回、税理士が多くの資料を集めていたこともあり、この点が早期に発見できたことは何よりでした。また、社内規定や就業規則にも見直しが必要だったため、社労士(LTRメンバー)も加わって改良を進めることに! 今回の件を踏まえ、問題社員への退職を命じる際に必要な「懲戒既定」の作成など、弁護士案件を越え、あらゆる対応に発展していきました。
先日「社長が交代してから会社が変わった。働きやすくなった」と、ある従業員の方の声を耳にしました。これまで社長に支払ってきた2000万円近い役員報酬や過大な接待交際費がなくなり、従業員にも残業代をしっかりだして還元し、問題社員にはお引き取り頂くなどして良好な職場環境になったからだと思っています。
【担当士業のコメント】
弁護士(鈴木 洋平)
今回のご相談は「社長を解任させる」という、ある意味“マイナス的”な内容でしたが、単にその問題解決だけでなく、会社の未来へつながる提案や対応が出来たことをうれしく感じています。また今回は事前の調査(経理上の問題を明確にする)が必要でしたが、LTRの強みである「士業の連携」を活かしたことで、事業承継をスピーディーに進めることが出来ました。今後もこの強みを活かしながら、お客様のさまざまなご相談に対応できる士業(スペシャリスト)でありたいと思っています。
※プライバシー保護の為、お客様情報の一部の表現を変更させて頂いております。