2019年07月26日
【経営者の皆さま向けお役立ち情報】非上場株の相続放棄について
LTRでは、本ブログを通して経営者の皆さまのお役に立てる情報を定期的に発信していきます。
今回は「非上場株の相続放棄について」を紹介します。
♦把握しづらい非上場会社の株式価格
株式は会社に対する出資者の地位を意味します。証券取引所で購入した他社の上場株式であれば市場価格が存在し価格が明確ですから、遺産として承継することに抵抗がある方は少ないかと思われます。
一方、故人が会社を経営されていたり、経営者の知人などという関係から株式を引き受けたりした場合には、非上場会社の株式(非上場株)を承継することにもなり得ます。
非上場会社の株式でも上場会社の株式でも、法律的な地位には全く違いはありません。つまり、会社に対して出資した人は議決権などの権利をもつことになります。上場会社の株式と非上場会社の株式で決定的に違う点は、市場価格がついているか否かという点です。上場会社の株式は証券取引所で取引価格が設定されているので価値が明確です。
しかし、非上場会社の場合には株式の価格は不明確ですから、株式を相続するときは、市場価値を見極めるため弁護士などのプロフェッショナルによる算定が必要となる場合があります。また、「市場価値が高い」という算定が出れば、流通性のない株式保有のために多額の相続税が発生する可能性もあります。
♦家庭裁判所で手続きをすると、株式の相続放棄が可能
そんな状況で会社を相続するとなると、「あまりメリットはない」と感じる人がいたとしてもおかしくはありません。このように非上場の株式を相続したくない場合には、相続開始を知ってから3か月以内であれば、家庭裁判所で相続放棄の手続きをとることで非上場の株式を放棄することができます。
ただし、相続放棄を行うと、「株式だけではなく家屋や預貯金など、すべての資産を承継しない」ということになってしまいます。そこで、会社と談判をして会社に任意で買い取ってもらうということが最も現実的ということができます。この場合には、買取価格によって相続税などの税負担が少なくなるよう価格交渉をすることが重要となります。
非上場の会社だと、株式の分散によって会社経営に好ましくない株主が現れることを嫌いますので、買い取りに応じてくれることが一般的だといえます。万が一、会社に株式の買い取りに応じてもらえないような場合には、株式を担保とするなどして経済的に有効な活用方法を考えるといいでしょう。
いずれにしても、株式の放棄は慎重に考えるべきです。たとえ当期実績が赤字だとしても、今後の黒字化が予想されるのであれば、安易に相続放棄をすることは得策ではありません。また、被相続人に株式以外の個人資産が多い場合は、それらとも比較検討して最善の選択をするほうが得策だと思われます。
今回は「非上場株の相続放棄について」を紹介します。
♦把握しづらい非上場会社の株式価格
株式は会社に対する出資者の地位を意味します。証券取引所で購入した他社の上場株式であれば市場価格が存在し価格が明確ですから、遺産として承継することに抵抗がある方は少ないかと思われます。
一方、故人が会社を経営されていたり、経営者の知人などという関係から株式を引き受けたりした場合には、非上場会社の株式(非上場株)を承継することにもなり得ます。
非上場会社の株式でも上場会社の株式でも、法律的な地位には全く違いはありません。つまり、会社に対して出資した人は議決権などの権利をもつことになります。上場会社の株式と非上場会社の株式で決定的に違う点は、市場価格がついているか否かという点です。上場会社の株式は証券取引所で取引価格が設定されているので価値が明確です。
しかし、非上場会社の場合には株式の価格は不明確ですから、株式を相続するときは、市場価値を見極めるため弁護士などのプロフェッショナルによる算定が必要となる場合があります。また、「市場価値が高い」という算定が出れば、流通性のない株式保有のために多額の相続税が発生する可能性もあります。
♦家庭裁判所で手続きをすると、株式の相続放棄が可能
そんな状況で会社を相続するとなると、「あまりメリットはない」と感じる人がいたとしてもおかしくはありません。このように非上場の株式を相続したくない場合には、相続開始を知ってから3か月以内であれば、家庭裁判所で相続放棄の手続きをとることで非上場の株式を放棄することができます。
ただし、相続放棄を行うと、「株式だけではなく家屋や預貯金など、すべての資産を承継しない」ということになってしまいます。そこで、会社と談判をして会社に任意で買い取ってもらうということが最も現実的ということができます。この場合には、買取価格によって相続税などの税負担が少なくなるよう価格交渉をすることが重要となります。
非上場の会社だと、株式の分散によって会社経営に好ましくない株主が現れることを嫌いますので、買い取りに応じてくれることが一般的だといえます。万が一、会社に株式の買い取りに応じてもらえないような場合には、株式を担保とするなどして経済的に有効な活用方法を考えるといいでしょう。
いずれにしても、株式の放棄は慎重に考えるべきです。たとえ当期実績が赤字だとしても、今後の黒字化が予想されるのであれば、安易に相続放棄をすることは得策ではありません。また、被相続人に株式以外の個人資産が多い場合は、それらとも比較検討して最善の選択をするほうが得策だと思われます。