2019年07月05日
【経営者の皆さま向けお役立ち情報】父親が他界。一日も早く社長を選任したい
LTRでは、本ブログを通して経営者の皆さまのお役に立てる情報を定期的に発信していきます。
今回は「ビジネスホテルを経営していた父親が他界。一日も早く社長を選任したい」を紹介します。
♦相談
1週間前、父親が他界しました。多くの債務と債務保証があって、相続人全員が相続放棄をした状態です。父親は生前、自身が代表取締役を務めるビジネスホテル(非上場)の株式を60%所有していました。長男である私が現在、父に代わって経営を続けておりますが、父の死後、私を含む取締役3名の任期は切れています。このまま私が代表取締役に就任し経営を進めていきたいと考えていますが、私たち3名の取締役の責任、私の代表取締役選任のためにどのような手続きを行えばいいか教えてください。
♦会社株式の保有者は?
まずは、会社株式を保有しているのは誰か。今回の場合、法定相続人全員が相続放棄をしている状態ですから、お父さんが所有していた株式は誰にも属さないという状態です。ですから、このままでは誰も株主としての権利を行使できません。
♦会社を経営するのは誰?
これまでは、お父さんが会社の社長でしたが、その死亡で社長は不在ということです。このままでは、会社経営に支障が出ます。そのため、早急に社長を選任する必要がありますね。また、取締役の任期も満了しているということですので、新たに取締役を選任する必要もあります。
ご存知だと思いますが、取締役は株主総会で選任されます。また、社長は新たに選任された取締役で構成される取締役会で選任することが必要です。
♦総会は開催できません
現状の株主構成では取締役を選任する株主総会を開催することはできません。なぜなら、総会を開催する場合には株式の過半数を保有する株主の出席が必要ですが、大株主だったお父さんの60%の株式は相続放棄で宙に浮いた状態になっていて権利行使できないわけです。
♦暫定的な措置として取りうる手段
「取締役の任期が満了したのにも関わらず、新たな取締役が選任されない」という場合には、従来の取締役が引き続き任務を果たすことになります。社長の選任は、取締役会で行うことになりますから、(既に任期が満了した)取締役で取締役会を開催して社長を選任することになります。長男であるあなたは取締役ですから、そのような手続きで社長に就任することができます。
♦遺産株式の処理は相続財産管理人が行う
今後、法律的な問題が起きないように会社を運営するには、お父さんの株式をあなた、あるいはその他の会社関係者が取得する必要があります。取得のためには、家庭裁判所に相続財産管理の選任の申請をし、その選任された財産管理人から株式を買い受けることになります。
相続財産管理人の選任のためには約90万円の予納金(裁判所に納める金銭)、そして、株式取得のための買い取り価額(財産管理人との交渉になる)を支払う必要があることにご注意ください。
今回は「ビジネスホテルを経営していた父親が他界。一日も早く社長を選任したい」を紹介します。
♦相談
1週間前、父親が他界しました。多くの債務と債務保証があって、相続人全員が相続放棄をした状態です。父親は生前、自身が代表取締役を務めるビジネスホテル(非上場)の株式を60%所有していました。長男である私が現在、父に代わって経営を続けておりますが、父の死後、私を含む取締役3名の任期は切れています。このまま私が代表取締役に就任し経営を進めていきたいと考えていますが、私たち3名の取締役の責任、私の代表取締役選任のためにどのような手続きを行えばいいか教えてください。
♦会社株式の保有者は?
まずは、会社株式を保有しているのは誰か。今回の場合、法定相続人全員が相続放棄をしている状態ですから、お父さんが所有していた株式は誰にも属さないという状態です。ですから、このままでは誰も株主としての権利を行使できません。
♦会社を経営するのは誰?
これまでは、お父さんが会社の社長でしたが、その死亡で社長は不在ということです。このままでは、会社経営に支障が出ます。そのため、早急に社長を選任する必要がありますね。また、取締役の任期も満了しているということですので、新たに取締役を選任する必要もあります。
ご存知だと思いますが、取締役は株主総会で選任されます。また、社長は新たに選任された取締役で構成される取締役会で選任することが必要です。
♦総会は開催できません
現状の株主構成では取締役を選任する株主総会を開催することはできません。なぜなら、総会を開催する場合には株式の過半数を保有する株主の出席が必要ですが、大株主だったお父さんの60%の株式は相続放棄で宙に浮いた状態になっていて権利行使できないわけです。
♦暫定的な措置として取りうる手段
「取締役の任期が満了したのにも関わらず、新たな取締役が選任されない」という場合には、従来の取締役が引き続き任務を果たすことになります。社長の選任は、取締役会で行うことになりますから、(既に任期が満了した)取締役で取締役会を開催して社長を選任することになります。長男であるあなたは取締役ですから、そのような手続きで社長に就任することができます。
♦遺産株式の処理は相続財産管理人が行う
今後、法律的な問題が起きないように会社を運営するには、お父さんの株式をあなた、あるいはその他の会社関係者が取得する必要があります。取得のためには、家庭裁判所に相続財産管理の選任の申請をし、その選任された財産管理人から株式を買い受けることになります。
相続財産管理人の選任のためには約90万円の予納金(裁判所に納める金銭)、そして、株式取得のための買い取り価額(財産管理人との交渉になる)を支払う必要があることにご注意ください。