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2019年08月15日

【くらしに関する法律知識】兄弟姉妹間で争わないよう遺産分割の方法を共有しておく

LTRでは、本ブログを通して皆さまのお役に立てるくらしに関する法律知識・情報を定期的に発信していきます。

今回は「兄弟姉妹間で争わないよう遺産分割の方法を共有しておく」を紹介します。

◆状況

父親が高齢なため、そろそろ相続のことでいろいろ家族と共有しておきたいと思います。特に我が家は大家族で、長男の私を含め男3人・女3人の兄弟姉妹で相続することになりそうです(母親は既に他界)。どちらかというと仲の良い兄弟姉妹ですが、相続のこととなると人格が変わってしまう人がいるとよく聞きます。そこで、父親の財産を分けるにはどのような方法があるのか把握しておきたいと思います。


◆回答

相続するのは預金や現金だけでだけではありません。土地や建物、証券、骨董品など明確な分割が難しい資産もあります。そういうときに、知っておきたいのが遺産分割の方法です。相続人同士で話し合いをする上でも、どんな分割の方法があるかを事前に理解しておくことは重要です。

(1)現物分割
「相続財産を売却することなく、特定の財産をそのまま相続人の間で配分する」という方法です。たとえば、相続財産として土地と現金がある場合、「長男が土地を相続して、次男が現金を相続する」という配分をすることが一般的です。現物分割であれば相続財産をそのまま引き継ぐことができるので、売却する手間がかからず迅速に手続きが進みます。

(2)換価分割
「相続財産を売却して、そのお金を相続人の間で配分する」という方法です。上記の例でいうと、「土地を売却して、そのお金を兄弟姉妹で配分する」という方法です。もし現金がわずかしか残されておらず、土地が非常に高価である場合には、現物分割では兄弟間で平等に配分することはできません。そんなとき、土地を売却する手間はかかってしまいますが、換価分割を行います。

(3)代償分割
「相続人の一人が現物を取得する代わりに、その価値を金銭で精算する」という方法。上記の例でいうと、「長男が土地を丸ごと取得する代わりに、土地の価格の半分を次男に渡して精算する」ということです。長男が土地を取得したいと考えているが、次男が現金だけでは足りないと主張している場合には、このような分割が行われます。土地を売却する手間はかかりませんが、土地の価格を適正に評価して精算するための時間がかかります。

(4)共有分割
「相続人が共同で相続財産を所有する方法」です。たとえば、相続財産としてマンションがあるケースです。マンションの値上がりが激しく、日々価格が変動していると、マンションの価値を適正評価することが難しいため、換価分割も代償分割も困難となります。このような場合、「相続人が共同でマンションを所有する」という選択肢をとることができます。相続人が3人の場合は、「3分の1ずつマンションの権利を共同で行使する」ということになります。

(5)分割方法の組み合わせ
現物分割では不平等になってしまう場合、現物分割と換価分割を組み合わせたり、現物分割と代償分割を組み合わせて平等に配分する方法を選びます。現物分割のみで平等に配分できればスムーズですが、このようなケースは稀です。いろいろな分割方法を試行錯誤して組み合わせ、なんとか平等に配分する方法を見つけるのが一般的でしょう。

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