サービス実績
2022年01月13日 [サービス実績]
チームで取り組む事業再生
LTRでは、日々多くのお客さまからのご相談をお受けしていますが、「メンバー間の連携を活かしたサービスの提供」を大きな強みとしています。弁護士×税理士×行政書士、中小企業診断士×社労士、不動産鑑定士×弁護士など、さまざまな形でタックを組み、スピード感のある対応や問題の早期解決、新たな提案などをおこなっています。
そこで、このような日々の活動をまとめたページ、実績ページを設けました。掲載内容は、「お客様からどんな依頼があったのか?」にはじまり、対応した内容・対応後の変化・担当士業のコメントなど。同時に、こちらの<教えてLTR>(コラム)でも、本記事を紹介しています。5回目は、事業再生に関する実績です。ぜひご一読ください。
基本情報
【LTR担当士業】税理士(加藤 博明)、弁護士(竹中 一真)
【業種】サービス業
【エリア】東海エリア
【従業者規模】100〜150人
【依頼内容】
・業績が悪化しているホテルについて、再建計画を作成してほしい
・上記に向けた現地調査、あらゆる問題点の洗い出し
・事業再生に向けての交渉(バンクミーティングへの参加)
目の前が大きな海という、絶好のロケーションに建つホテル。季節を問わず観光客が訪れるそのエリアに、数年前ある自然災害が発生します。この災害により、多くの宿泊施設はキャンセルが続く事態に……。今回ご紹介するホテルも、残念ながら経営難に見舞われることになりました。
しばらくは、銀行の借り入れを増やしながら経営を回していましたが、なかなか状態は好転せず、数ヶ月後には月々の返済も難しい状態になっていきます。そんな中、知人のFP(ファイナンシャルプランナー)から、「ぜひ力になってほしい」と本件の相談を受けました。彼は、以前から当ホテルの経営コンサルティングとして関わっていましたが、今後は財務面や法的観点からの対応も必要になるので、私たちへ依頼がきたのです。
正直なところ、概要を聞いただけでも「相当な時間とパワーが必要になる」という印象をもちましたが、「私たちで力になれるなら」と、再建計画を作るところから担当することになりました。
さっそく翌週から、ホテルの現地調査がスタートしました。片道2時間を電車に揺られ、小旅行気分を味わえるような道のりですが、もちろん楽しんではいられません。到着すると、まずは社長や財務担当者との面談です。決算書などの資料を提示してもらい、売上の推移などを細かくチェック! さらにホテル内のあらゆる環境を確認し、問題点の洗い出しを始めました。
提出された資料を見ていくと、実は自然災害の発生前から売上は落ちており、さまざまな問題が見えてきました。ホテルの要ともなる食事では、以前に比べて質が落ちたという声も。さらに社長の家族がホテルの施設を一部私物化しているという、驚くべき事実も発覚しました。
この現地調査を月に1回(4〜5時間)行いながら、売上アップのための施策を考え、計画書を作成していきます。たとえば、ホテルには本館と別館がありながら、それぞれの特徴が打ち出せていない状態でした。そこで内装も含めた見直しを行い、本館はファミリー向け、別館は若者(カップル向け)というように、ターゲット層を明確にしながら、新規顧客を獲得する案を作成。社内の人事も見直し部門別の責任者を立て、月次の売上を細かくチェックする体制も作っていきます。
そして3回目の現地調査の際、私は社長のある変化に気が付きました。2回目までは、問題を指摘する側とされる側といった構図もあり、社長がこちらに対して壁を作っている部分がありましたが、3回目からは明らかに違ったのです。予め多くの資料を準備していたことに加え、こちらからの質問にも真摯に答える姿が……! 社長がこれまでの行いを反省し、事業再生に本気で取り組もうという強い意思が感じられました。
月に1回の現地調査を複数回繰り返し、ついにバンクミーティングの日を迎えます。現段階でホテルへ融資をしている全銀行が集い、事業再生計画書を基に、融資や返済の条件などを話し合っていきます(私たちはオブザーバーとして参加)。
結果としていくつかの課題は残りましたが、最終的に全ての銀行から合意を得ることができました。これでようやく、本格的に再生を進めるべくスタート地点に立てたことになります。
その後、ホテルは何とか経営を持ち直し、無事に事業を再生することができました。FPの話しによれば、このコロナ禍においてもさまざまな工夫を凝らし、社長をはじめ、従業員の皆さんも日々頑張っているようです。
【担当士業のコメント】
税理士(加藤 博明)
事業再生について、今回改めて感じたことがあります。それは、「私たちが力を注ぐだけでは、難しい。最終的に社長や経営者の頑張りと、会社を必ず立て直すという強い志が良い結果を生む」というものでした。さらに、事業再生という同じゴールを目指すためには、強い結束力が必要です。士業間のチームワークはもちろんのこと、当事者である社長や経理担当等の皆さんが、私たちに協力的であり、お互いに信頼関係を持つことが重要になります。今回はそれらが早い段階から動き、無事に事業を再生することが出来ました。今後もこれらのことを踏まえ、多くの企業の皆さまの力になれたらと思っています。
※プライバシー保護の為、お客様情報の一部の表現を変更させて頂いております。
そこで、このような日々の活動をまとめたページ、実績ページを設けました。掲載内容は、「お客様からどんな依頼があったのか?」にはじまり、対応した内容・対応後の変化・担当士業のコメントなど。同時に、こちらの<教えてLTR>(コラム)でも、本記事を紹介しています。5回目は、事業再生に関する実績です。ぜひご一読ください。
基本情報
【LTR担当士業】税理士(加藤 博明)、弁護士(竹中 一真)
【業種】サービス業
【エリア】東海エリア
【従業者規模】100〜150人
【依頼内容】
・業績が悪化しているホテルについて、再建計画を作成してほしい
・上記に向けた現地調査、あらゆる問題点の洗い出し
・事業再生に向けての交渉(バンクミーティングへの参加)
自然災害が経営悪化のきっかけに
目の前が大きな海という、絶好のロケーションに建つホテル。季節を問わず観光客が訪れるそのエリアに、数年前ある自然災害が発生します。この災害により、多くの宿泊施設はキャンセルが続く事態に……。今回ご紹介するホテルも、残念ながら経営難に見舞われることになりました。
しばらくは、銀行の借り入れを増やしながら経営を回していましたが、なかなか状態は好転せず、数ヶ月後には月々の返済も難しい状態になっていきます。そんな中、知人のFP(ファイナンシャルプランナー)から、「ぜひ力になってほしい」と本件の相談を受けました。彼は、以前から当ホテルの経営コンサルティングとして関わっていましたが、今後は財務面や法的観点からの対応も必要になるので、私たちへ依頼がきたのです。
正直なところ、概要を聞いただけでも「相当な時間とパワーが必要になる」という印象をもちましたが、「私たちで力になれるなら」と、再建計画を作るところから担当することになりました。
現地調査であらゆる問題が発覚
さっそく翌週から、ホテルの現地調査がスタートしました。片道2時間を電車に揺られ、小旅行気分を味わえるような道のりですが、もちろん楽しんではいられません。到着すると、まずは社長や財務担当者との面談です。決算書などの資料を提示してもらい、売上の推移などを細かくチェック! さらにホテル内のあらゆる環境を確認し、問題点の洗い出しを始めました。
提出された資料を見ていくと、実は自然災害の発生前から売上は落ちており、さまざまな問題が見えてきました。ホテルの要ともなる食事では、以前に比べて質が落ちたという声も。さらに社長の家族がホテルの施設を一部私物化しているという、驚くべき事実も発覚しました。
社長に感じた大きな変化
この現地調査を月に1回(4〜5時間)行いながら、売上アップのための施策を考え、計画書を作成していきます。たとえば、ホテルには本館と別館がありながら、それぞれの特徴が打ち出せていない状態でした。そこで内装も含めた見直しを行い、本館はファミリー向け、別館は若者(カップル向け)というように、ターゲット層を明確にしながら、新規顧客を獲得する案を作成。社内の人事も見直し部門別の責任者を立て、月次の売上を細かくチェックする体制も作っていきます。
そして3回目の現地調査の際、私は社長のある変化に気が付きました。2回目までは、問題を指摘する側とされる側といった構図もあり、社長がこちらに対して壁を作っている部分がありましたが、3回目からは明らかに違ったのです。予め多くの資料を準備していたことに加え、こちらからの質問にも真摯に答える姿が……! 社長がこれまでの行いを反省し、事業再生に本気で取り組もうという強い意思が感じられました。
ようやく再生のスタート地点に!
月に1回の現地調査を複数回繰り返し、ついにバンクミーティングの日を迎えます。現段階でホテルへ融資をしている全銀行が集い、事業再生計画書を基に、融資や返済の条件などを話し合っていきます(私たちはオブザーバーとして参加)。
結果としていくつかの課題は残りましたが、最終的に全ての銀行から合意を得ることができました。これでようやく、本格的に再生を進めるべくスタート地点に立てたことになります。
その後、ホテルは何とか経営を持ち直し、無事に事業を再生することができました。FPの話しによれば、このコロナ禍においてもさまざまな工夫を凝らし、社長をはじめ、従業員の皆さんも日々頑張っているようです。
【担当士業のコメント】
税理士(加藤 博明)
事業再生について、今回改めて感じたことがあります。それは、「私たちが力を注ぐだけでは、難しい。最終的に社長や経営者の頑張りと、会社を必ず立て直すという強い志が良い結果を生む」というものでした。さらに、事業再生という同じゴールを目指すためには、強い結束力が必要です。士業間のチームワークはもちろんのこと、当事者である社長や経理担当等の皆さんが、私たちに協力的であり、お互いに信頼関係を持つことが重要になります。今回はそれらが早い段階から動き、無事に事業を再生することが出来ました。今後もこれらのことを踏まえ、多くの企業の皆さまの力になれたらと思っています。
※プライバシー保護の為、お客様情報の一部の表現を変更させて頂いております。