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2025年02月10日 [お役立ち情報]
「人を育てる人事制度とは?」〜中小企業診断士 西端 望氏インタビュー〜<後編>
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LTRメンバーでもある中小企業診断士の西端 望(にしべり・のぞむ)氏は、日々多くの企業を訪問する中で、「人の育成」とそれを支える「見える化」が重要だと話します。そこで今回は、この二つの視点を踏まえ、「人を育てる人事制度」をテーマにインタビューを実施しました。前回に続く【後編】をご覧ください。
▶前編はこちら
「人を育てる人事制度とは?」〜中小企業診断士 西端 望氏インタビュー〜<前編>
ライター小林(以下、小林):【前編】では、中小企業の強みを活かした人材育成において、〚見える化〛の重要性を中心にお話しいただきました。【後編】は「実際、どのようにしてその人事制度を作るのか?」についてお聞きしたいと思います。
中小企業診断士 西端氏(以下、西端):はい。大きく3つのステップがありますので、それぞれのステップと、大事なポイントをあわせてお伝えします。
【Step2】評価シートの作成:従業員の目標達成度を測り、公平に評価するためのツール
【Step3】1 on 1 ミーティングの実施:経営者や管理職が従業員と一対一で話し合う場
西端:では、最初のステップから見てゆきましょう。
【Step1】目標を設定する:人事制度の基盤となる重要な要素
ポイント@ 目標が個人にとって身近であること
ポイントA 会社の方針に沿った目標を設定していること
小林: 「個人にとって身近な目標」というのは、自分が実践したいことや、目指すキャリアが明確に描かれている、といったことでしょうか。
西端: おっしゃる通りです。自らの業務やキャリアに関連性を感じる目標を設定することで、書く意欲も湧いてくる。しっかりと自分で考え、自分の言葉で書く目標ということが大事なんです。
小林: さらに、その目標は「会社の方針に沿っている」という点もポイントなんですね。
西端: はい。付け加えると、会社の事業計画と連動している必要もあります。その部分を抑えておくと、従業員が自らの目標が達成できた際「会社の成長に貢献している」と実感できるんです。それは大きな達成感につながり、日々のモチベーションにもなります。
小林: なるほど〜。これらを踏まえれば、より具体性のある目標が設定できそうです。
西端:では、次のステップに移りましょう。
【Step2】評価シートの作成:従業員の目標達成度を測り、公平に評価するためのツール
ポイント@ 抽象度と具体度のバランスを取ること
ポイントA 評価項目を明確にすること
ポイントB 上司が業務を理解すること
西端: 抽象度と具体度のバランスというのは、特に評価基準を指します。ここを細かく設定してしまうと、管理が煩雑になり、運用が滞る可能性もでてくるんですよ。
小林: それは避けたいですが、バランスが難しそうです。
西端: そうなんですよ。あまりにも抽象的すぎてしまうと、評価が不透明になってしまいますからね。さらに評価項目の明確化で言えば、「何が求められ、どうすれば評価されるのか」を従業員が理解する。そこで目標達成のモチベーションも向上しますので、こちらも大事です。
小林: これがしっかり明示されていると、「目標に向かっていこう!」と自然に意欲も湧いてくるんですね。
西端: して評価を公正に行うには、上司が部下の業務内容をしっかりと把握すること。業務に深く関与し、コミュニケーションを取る仕組みを設けることで、課題解決につながります。
西端: では、最後のステップに移りましょう。
【Step3】1 on 1 ミーティング:経営者や管理職が従業員と一対一で話し合う場
ポイント@ 従業員が本音を話せる環境づくりをすること
ポイントA 本音に対する対応力をつけること
小林:「本音が話せる環境作り」を、難しいと感じている方は多いでしょうね。
西端: はい、そう思います。コンサルティングの現場でも「従業員の本音が引き出せない……」という声は多いです。そこで、「従業員がどれだけ率直に話せるか?」という点から「聞く姿勢」を重視し、安心して話せる環境を作ることをお勧めしています。
小林:「聞く姿勢」は、本当に大事ですよね。普段から、上司や経営者との距離感が近いと感じていても、こういった場面になると話せなくなるケースもありそうです。ホンネを引き出したいのであれば、まずは「聞く姿勢」の見直しからですね。
西端: はい。そして本音を引き出せたら、次は「迅速かつ誠実に対応できるか?」が問われます。「本音」への対応力ですね。従業員の意見が無視されたり実行されたりしないと、次からは本音で話してもらえない可能性もあるので、ここは力を注いでもらいたい部分です。
小林:ありがとうございました。「人の育成」を目的にした人事制度を作るには、「目標設定」「評価シート」「1 on 1ミーティング」の三つを連動させることを学びました。
西端: これらの連動により、従業員一人ひとりが「自分はこの会社で役に立っている」という自信と、「この会社で働きたい」という意欲を持ち、生き生きと働ける環境が整ってゆきます。
小林:そうすることで会社への帰属意識が高まり、離職率の低下にもつながりそうですね。皆さんも、ぜひ一度<人事制度>について見直してみてはいかがでしょうか。
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▶前編はこちら
「人を育てる人事制度とは?」〜中小企業診断士 西端 望氏インタビュー〜<前編>
「人の育成」を目的にした人事制度は、どう作る?
中小企業診断士 西端氏(以下、西端):はい。大きく3つのステップがありますので、それぞれのステップと、大事なポイントをあわせてお伝えします。
【「人の育成」を目的にした人事制度の作り方】
【Step1】目標を設定する:人事制度の基盤となる重要な要素【Step2】評価シートの作成:従業員の目標達成度を測り、公平に評価するためのツール
【Step3】1 on 1 ミーティングの実施:経営者や管理職が従業員と一対一で話し合う場
西端:では、最初のステップから見てゆきましょう。
【Step1】目標を設定する:人事制度の基盤となる重要な要素
ポイント@ 目標が個人にとって身近であること
ポイントA 会社の方針に沿った目標を設定していること
小林: 「個人にとって身近な目標」というのは、自分が実践したいことや、目指すキャリアが明確に描かれている、といったことでしょうか。
西端: おっしゃる通りです。自らの業務やキャリアに関連性を感じる目標を設定することで、書く意欲も湧いてくる。しっかりと自分で考え、自分の言葉で書く目標ということが大事なんです。
小林: さらに、その目標は「会社の方針に沿っている」という点もポイントなんですね。
西端: はい。付け加えると、会社の事業計画と連動している必要もあります。その部分を抑えておくと、従業員が自らの目標が達成できた際「会社の成長に貢献している」と実感できるんです。それは大きな達成感につながり、日々のモチベーションにもなります。
小林: なるほど〜。これらを踏まえれば、より具体性のある目標が設定できそうです。
働く人にとって大切な「評価」について
【Step2】評価シートの作成:従業員の目標達成度を測り、公平に評価するためのツール
ポイント@ 抽象度と具体度のバランスを取ること
ポイントA 評価項目を明確にすること
ポイントB 上司が業務を理解すること
西端: 抽象度と具体度のバランスというのは、特に評価基準を指します。ここを細かく設定してしまうと、管理が煩雑になり、運用が滞る可能性もでてくるんですよ。
小林: それは避けたいですが、バランスが難しそうです。
西端: そうなんですよ。あまりにも抽象的すぎてしまうと、評価が不透明になってしまいますからね。さらに評価項目の明確化で言えば、「何が求められ、どうすれば評価されるのか」を従業員が理解する。そこで目標達成のモチベーションも向上しますので、こちらも大事です。
小林: これがしっかり明示されていると、「目標に向かっていこう!」と自然に意欲も湧いてくるんですね。
西端: して評価を公正に行うには、上司が部下の業務内容をしっかりと把握すること。業務に深く関与し、コミュニケーションを取る仕組みを設けることで、課題解決につながります。
ホンネを引き出すには「聞く姿勢」の見直しから
【Step3】1 on 1 ミーティング:経営者や管理職が従業員と一対一で話し合う場
ポイント@ 従業員が本音を話せる環境づくりをすること
ポイントA 本音に対する対応力をつけること
小林:「本音が話せる環境作り」を、難しいと感じている方は多いでしょうね。
西端: はい、そう思います。コンサルティングの現場でも「従業員の本音が引き出せない……」という声は多いです。そこで、「従業員がどれだけ率直に話せるか?」という点から「聞く姿勢」を重視し、安心して話せる環境を作ることをお勧めしています。
小林:「聞く姿勢」は、本当に大事ですよね。普段から、上司や経営者との距離感が近いと感じていても、こういった場面になると話せなくなるケースもありそうです。ホンネを引き出したいのであれば、まずは「聞く姿勢」の見直しからですね。
西端: はい。そして本音を引き出せたら、次は「迅速かつ誠実に対応できるか?」が問われます。「本音」への対応力ですね。従業員の意見が無視されたり実行されたりしないと、次からは本音で話してもらえない可能性もあるので、ここは力を注いでもらいたい部分です。
小林:ありがとうございました。「人の育成」を目的にした人事制度を作るには、「目標設定」「評価シート」「1 on 1ミーティング」の三つを連動させることを学びました。
西端: これらの連動により、従業員一人ひとりが「自分はこの会社で役に立っている」という自信と、「この会社で働きたい」という意欲を持ち、生き生きと働ける環境が整ってゆきます。
小林:そうすることで会社への帰属意識が高まり、離職率の低下にもつながりそうですね。皆さんも、ぜひ一度<人事制度>について見直してみてはいかがでしょうか。
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