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――サステナビリティに関する項目を、全方位的に評価する「B Corp認証」。御社は国内で2社目に取得されたそうですね。
【石井】そうなんですよ。200点を満点として評価を数値化し、80点以上だと認証取得となりますが、弊社は106.5点。2016年当時、約6,000社の中で上位の100社に選ばれたんです。ありがたいことに、初のチャレンジで高評価を頂くことができました。

――すごいですね！　ちなみにどのような評価項目があるのでしょうか。
【石井】「ガバナンス（管理・統制）」「従業員」「環境」「顧客」「コミュニティ」の五つです。質問数は全部で200。その回答結果から、企業の社会的・環境的公益性や、ステークフォルダーへの透明性などにおける“企業のパフォーマンス”を測定する形です。

【質問例】
•業界における社会や環境基準改善に向けて取り組みを行なっているか？
•従業員に企業の財務状況が公開されているか？

――「B Corp認証」を取得しようと思ったきっかけは？
【石井】明治大学の社会人大学院で教鞭を執っている、雨宮 寛（あめみや・ひろし）先生との出会いですね。当時先生は横浜市内で地域貢献をしている企業を探していて、弊社に連絡がありました。その後、私も大学院で授業を1コマ担当するようになって、「これまでCSR経営を実践してきた石井造園さんなら取得できるかもしれません。やってみませんか？」と声をかけていただきました。そんな先生のもと、いろいろとご指導いただきながら、チャレンジする流れになったんです。

――「自社の企業イメージを向上させよう！」と、取得のために何かを準備したということではなく、これまで御社が当たり前に取り組んできたこと、大事にしてきたものが評価された形なんですね。
【石井】そうですね。認証されると定款を変更したり、活動に関するレポートを提出したりもするので、「取得したことが負担になっていませんか？」と聞かれることもあります。でも、弊社にとってCSRの取り組みは当たり前のこと。認証のために活動しているわけではないので、大変だと思ったことはないんです。

――「B Corp認証」を取得したことにより、従業員の皆さんに何か変化はありましたか？
【石井】はい。少しずつですが、仕事に対するやる気や意識が高まっていったと思います。名刺には認証マークが入るので、お客さまや取引先にお渡しすると、何らかの反応がある。そこから得るものは大きいでしょうね。

――確かに！　自然と自社への愛情や誇りも芽生えそうです。
【石井】このように外で評価されることにより、「石井造園のユニフォーム（つなぎ）」を着たときの緊張感も変わってくると思うんです。もちろん従業員だけでなく、私自身も取得したことで安心するのではなく、これを機により一層頑張ってゆこうと！　その気持ちは強くなりましたね。





――御社の地域と環境への取り組みの中には、（LTR通信本誌でもご紹介した）「緑化基金」、横浜市の150万本植樹行動に賛同し、ブルーベリーの苗木を無料で配布する「苗木配布」、お客さまが“とっておきの逸品”（畑の野菜や手工芸品などの手づくり品）を持ち寄り、地域の皆さまへ展開する「カサマルシェ」などがありますね。
【石井】はい。今年（2024年）も11月に「カサマルシェ」を開催しました。

――どんな“とっておきの逸品”があるのでしょうか？
【石井】各農園の新鮮な野菜はもちろん、さつま揚げや梅干し、ジャムやドライフルーツ、焼き菓子などですね。毛糸の小物やフラワーアート、キャンドルなどの手作り品も人気を集めました。当日は約500名の方に来ていただき、ほぼ完売でしたよ。

――それは、大盛況ですね！
【石井】お天気に恵まれたこともありますが、地域の皆さまをはじめ、弊社になじみのある方、さらに今回はカフェのお客さまを含め、新規の方にも多くお越しいただき、うれしかったですね。「みどりを通じたコミュニティの中心に石井造園がある」と改めて実感しました。

――2009年からスタートし、（コロナ禍は3年間お休みして）今回で21回目とか？
【石井】年2回（5月・11月）の開催なので、あっと言う間に20回を超えていました。今では、次の開催を楽しみにしていただけるイベントに成長したと思っています。

――こういった取り組みを続けることで、地域の中であらゆる“つながり”が生まれ、御社のファンも自然と増えてゆく。思わぬ仕事につながる、ということもありそうですね。
【石井】そうですね。やはりどんなことでも、「継続」は大事です。このカサマルシェも、小さなことを積み重ねた結果だと思うので！　これからも、みどりを使った空間づくりだけでなく、みどりを身近に感じられる“場づくり”を手掛けながら、人とみどりをつなぐ活動を続けてゆきたいと思います。