LTR通信
2022年10月14日 [LTR通信]
【LTR- Voice】弁理士の日常とは? 〜知的財産を守る専門家「弁理士」を知る!〜
※こちらの記事は「LTR通信2022秋冬号」に掲載中です。
今回のコラムでは、弁理士の日常についてご紹介させていただきます。ぜひご覧ください。
弁理士という職業について15年以上になりますが、いまだにクライアントさまからかけられるのは、「弁理士の方に初めて会いました!」「弁理士さんには、どんなことをお願いできるんですか?」などの言葉です。確かに弁理士は弁護士や税理士と違い、士業の中でも人数が少なく馴染みがないかもしれませんね。
そこで今回のコラムでは、「弁理士の日常とは?」をテーマにお届けします。私の日々の仕事についてお話しすることで、弁理士のことを少しでも身近に感じていただけたらうれしいです。
まず、弁理士とはどんな職業か? 分かりやすくいうと「知的財産のスペシャリスト」ということになります。人間の知的活動により生み出されたアイデアや創作物などには、財産的な価値を持つものがあり、それらを総称して「知的財産」と呼びます。この知的財産を、第三者に奪われないように権利化し、そのサポートをするのが弁理士の仕事です。
具体的な業務として、特許等の申請書類の作成や手続きの代行のほか、申請に際しての案件調査、申請後のフォローなどを行います。また、特許庁の審査内容に不服がある場合には、特許庁長官を相手取った行政訴訟や権利侵害をする第三者に対する民事訴訟の代理人を務めることもあります。
そんな業務を担う弁理士ですが、弁理士としての私自身の強みは、前職で鉄鋼メーカーに勤務していた経験から、“現場目線でのアドバイス”ができることです。
たとえば、あるクライアントさまが新商品の開発を進めていた際、技術的な問題が生じたことで、開発が止まったことがありました。そんな中、開発と並行して「特許出願に向けた相談をしたい」と連絡がきたのです。
そこでさっそくクライアントさまのもとを訪れ、現状を聞いた私は、技術者とは別の視点でアドバイスを実施。結果的にそれがヒントとなり、商品開発がゴールまで行き着いたケースがありました。このように、ときには実際に生産の現場に入り、そこで埋もれた知的財産を抽出し、クライアントさまが気付いていなかった価値を創出することもあります。
私は、クライアントさまと発明を見出す「発明抽出会」も頻繁に行っています。この際に気を付けていることは、発明者さま、知財部員さま、弁理士の三者がコミュニケーションを十分に取って、協働して作業を進めることです。三者が異なった観点から意見をぶつけ合い、議論を深めることで発明の幅が広がり、知的財産の価値が向上することが多々あります。
これからも、クライアントさまとのコミュニケーションを大事にし、知的財産に関する要望に迅速にお応えしながら、企業価値を最大化できるよう、クライアントさまをしっかり守れる弁理士でありたいと思っています。(弁理士 海田 浩明)
弁理士 海田のとある1日のスケジュール
7時00分 起床
9時30分 事務所に到着、メールのチェックや返信など(朝は主に米国や欧州)
10時00分 依頼案件の対応(特許や意匠等の出願書類の作成、中間対応の検討、相談に対する回答作成など、多岐にわたる)
12時30分 昼食
13時30分 依頼案件の対応
15時00分 リモートでの発明検討会
17時30分 納品書類のチェック、メールのチェックや返信など(夕方は主に中国や韓国、台湾などのアジア諸国)
20時00分 帰宅・犬の世話・夕食
22時00分 風呂・読書
25時00分 就寝
今回のコラムでは、弁理士の日常についてご紹介させていただきます。ぜひご覧ください。
弁理士は「知的財産のスペシャリスト」
弁理士という職業について15年以上になりますが、いまだにクライアントさまからかけられるのは、「弁理士の方に初めて会いました!」「弁理士さんには、どんなことをお願いできるんですか?」などの言葉です。確かに弁理士は弁護士や税理士と違い、士業の中でも人数が少なく馴染みがないかもしれませんね。
そこで今回のコラムでは、「弁理士の日常とは?」をテーマにお届けします。私の日々の仕事についてお話しすることで、弁理士のことを少しでも身近に感じていただけたらうれしいです。
まず、弁理士とはどんな職業か? 分かりやすくいうと「知的財産のスペシャリスト」ということになります。人間の知的活動により生み出されたアイデアや創作物などには、財産的な価値を持つものがあり、それらを総称して「知的財産」と呼びます。この知的財産を、第三者に奪われないように権利化し、そのサポートをするのが弁理士の仕事です。
具体的な業務として、特許等の申請書類の作成や手続きの代行のほか、申請に際しての案件調査、申請後のフォローなどを行います。また、特許庁の審査内容に不服がある場合には、特許庁長官を相手取った行政訴訟や権利侵害をする第三者に対する民事訴訟の代理人を務めることもあります。
“現場目線”でのアドバイスが強みの一つ
そんな業務を担う弁理士ですが、弁理士としての私自身の強みは、前職で鉄鋼メーカーに勤務していた経験から、“現場目線でのアドバイス”ができることです。
たとえば、あるクライアントさまが新商品の開発を進めていた際、技術的な問題が生じたことで、開発が止まったことがありました。そんな中、開発と並行して「特許出願に向けた相談をしたい」と連絡がきたのです。
そこでさっそくクライアントさまのもとを訪れ、現状を聞いた私は、技術者とは別の視点でアドバイスを実施。結果的にそれがヒントとなり、商品開発がゴールまで行き着いたケースがありました。このように、ときには実際に生産の現場に入り、そこで埋もれた知的財産を抽出し、クライアントさまが気付いていなかった価値を創出することもあります。
議論を深めることで発明の幅が広がる
私は、クライアントさまと発明を見出す「発明抽出会」も頻繁に行っています。この際に気を付けていることは、発明者さま、知財部員さま、弁理士の三者がコミュニケーションを十分に取って、協働して作業を進めることです。三者が異なった観点から意見をぶつけ合い、議論を深めることで発明の幅が広がり、知的財産の価値が向上することが多々あります。
これからも、クライアントさまとのコミュニケーションを大事にし、知的財産に関する要望に迅速にお応えしながら、企業価値を最大化できるよう、クライアントさまをしっかり守れる弁理士でありたいと思っています。(弁理士 海田 浩明)
弁理士 海田のとある1日のスケジュール
7時00分 起床
9時30分 事務所に到着、メールのチェックや返信など(朝は主に米国や欧州)
10時00分 依頼案件の対応(特許や意匠等の出願書類の作成、中間対応の検討、相談に対する回答作成など、多岐にわたる)
12時30分 昼食
13時30分 依頼案件の対応
15時00分 リモートでの発明検討会
17時30分 納品書類のチェック、メールのチェックや返信など(夕方は主に中国や韓国、台湾などのアジア諸国)
20時00分 帰宅・犬の世話・夕食
22時00分 風呂・読書
25時00分 就寝